業界の裏側を知ることで、車の売り買いに伴う損失をある程度防げます。
中古車流通のしくみ
中古車の流通は、この20年で大きく変化しています。
まずは昔話から。
むか~し、むかし、車は貴重品。財産じゃった。
なので、「新車で購入すると乗り潰す」というのが一般的だったそうな。
(当時からクルマに乗っている方の中には、中古車=乗り潰したボロ車
というイメージが、まだ残っている方もおられるようです。)
ボロ車でしたから、乗り換えの時には 「持って行ってもらう」=『下取り』 でした。
ですから、その頃の車屋(中古車販売店)は、自社の下取りを中心に、近くのディーラーの下取りを分けてもらいながら、空き地に並べて売る所がほとんどでした。
現在の中古車流通の仕組み
今は、全然違います。
まず、手放すユーザーの方に変化が出てきました。
3年毎乗り換える方、ライフスタイルに合わせて乗り換える方 etc.様々です。
それに合わせて、程度のいい中古車が増えてきました。
また、クルマ自体の性能がどんどん上がってきました。
(ボディ塗装・部品の耐久性、ケミカル用品・・・)
今は、中古車=ボロ車 ではなくなっています。
中古車がボロ車ばかりでなくなり(=値段が付く車が増え)、
ユーザーの中で「愛車をより高く売りたい」という人が増えてきました。
その頃(15年くらい前)に、『買い取り業』という新しい業種が登場しました。
(トヨタ T-up、ニッサン カウゾーなど、メーカー・ディーラーが『買い取り』を始めるくらい、一つの業種として認知されてきました。)
そして今や、中古車流通の80%がオークションに集まるようになっています。つまり、
これが今の中古車流通のしくみです。
中古車(本でも、家でも、どのリユース業界でも)は、売りたい人と、買いたい人がいて、その間のやり取りの中で相場というものが出来、流通が成り立ってきます。
現在の日本の中古車は、このやりとりがほとんどオークション会場で行われるようになってきたので、
そこには、はっきりとした相場(業者間での取引き価格の相場)があるのです。
その、オークション相場が100万円の車があるとします。
買取り店では、80万円くらいで「買います。」と言い、
販売店では100万で仕入れているので、140万円くらいで「売ります。」と言う。
これが適正相場です。
買取り店で「100万で買います」はありえません。
(売れる相場予測が100万円ですから、商売になりません。)
販売店では、「130万円で売ります」はあるかもしれませんが、120万円はありえないのです。
すべて、オークション会場での相場が元になっているので。
今はこの流通のしくみのおかげで、中古車販売店はそんなにぼったくれないんです。
(オークション会場に集まる車が50%もなく、相場がアバウトだった昭和には、
仕入れが不透明だったので、ぼったくれたみたいです。
販売価格も、十数年前のネット社会になる前は言い値でしたし。)
ですから、愛車を売るにしても、中古車を買うにしても、まずは相場を頭に入れて行動しましょう。
※用語解説のオークションとは 等もご覧ください
2016年、中古車流通に新しい波が!?
ITの時代がすすみ、オークション会場を通さないで、
売りたい人と買いたい車屋とをつなぎ、ネット上でセリをするサービスが登場しています。
もちろん、中間業者は将来的には消えていくのが時代の流れですが、
現在8割というシェア=効率のいい流通が出来上がっている
(輸出にも、新古にも、激安、ワケアリ、事故車・不動車にも)訳で、
新サービス提供会社が割って入れるか?
大きくシェアを獲っていくのか?!は、
- 一般ユーザーが愛車を手放す人が選択肢とするか?
(高く売れるか?手放すタイミング、手続きが煩雑でないか?etc.) - 中古車販売店が仕入れルートの選択肢とするか?
(査定の信頼性、でも台数がシェアが増えれば自然と)
次第。見守りましょう。
(最終更新日21/9/11)新しい波は来なかったようです。
- ユーカーパック 買取りオークションサービス(16年~)
- 買取エージェント 中古車サイトみんちゅうが、加盟店と売却希望顧客を仲介するサービス
- あの ガリバーフリマ に、20年くらいから法人会員が!「ガリバーフリマから仕入れましょう!」って、笑うしかない。
- カーせる オークネットが、持っているオークション会員数と査定検査を武器に、ついに20年6月参入
- DMM AUTO DMM.comが18年6月スタート。
(そして9月には、CASHがネクステージと組んで車買取スタート。その後DMMから外れ、車買取も終了) - 20年から楽天Carに統合。グーネットと組んで中古車販売に注力。直売店で売るようになるのか?だとすると、ここからは外れる事になるな。(旧カープライス ロシア発、中古車屋が直接ネットオークションで競るサービス(15年11月~)
- Ullo(ウーロ) SBIグループのオートックワンが18年3月に始めたフリマ型自動車買取りサービス
(いつの間にか、MOTA車買取と、普通の一括見積に)