(財)日本自動車査定協会、(社)日本中古自動車販売協会連合会、(社)自動車公正取引協議会
などの統一基準として修復歴車と定義されているのは、
9つの部位を交換したり、あるいは修復(修正・補修)したものが修復歴車となります。つまり、
修復歴車とは、車の基本骨格部位に(事故などにより)損傷が生じた車のこと。
(事故等の)原因を問わず修復が加えられたものは「修復歴あり」となります。
修復等あった場合でも、その9つのポイント以外であれば「修復歴なし」となります。
=事故を起こした車でも指定の部位を修復していない車は、修復歴車とはいいません。
車の基本骨格(フレーム)部位を交換あるいは修復した車輌は、一般的な程度の車よりも相場が割安です。
近年は修復技術が飛躍的に向上しているので、事故を起こした車でもほぼ完全に事故前の状態に戻すことができます。
ただ、見た目は分からなくてもどこかに不具合が生じることはあります。
(雨漏り、エンジン・ミッションなどの押されによる振動、異音など)
みなさんが中古車を選ぶうえで、気になるのはどちらかというと事故車でしょう。
(修復歴なしになる程度の。これは説明も表記も必要ないのですから。)
これはプロでも難しいのですが、一応見るポイントを紹介します。
塗装 中古車の外装は、フェンダーやドア等のパーツに分かれていますので、 それぞれパーツの切れ目を見て、 色が違って見えた場合は、 どちらかを塗装した可能性が大きいです。
(イタズラで傷付けられたのを板金しただけかもしれませんので、=事故車ではありません。)
ボディライン ボディラインを斜めから見て確認して下さい。
歪み等ある場合は、板金した可能性があります。
アンダーボディ アンダーボディの前後のタイヤの内側・ドアの下あたりに小さな凹みや塗装の盛り上がりがあった場合は注意して下さい。
それらが見受けられた場合は、フレームの修正をした可能性が大きいです。
フレームの修正をするということは、事故の程度が大きい場合があります。
ネジ ネジ頭の塗装が剥がれている場合は、その部分を交換・修復した可能性が大きいです。
フェンダー・ボンネット・バックドアのネジは最も確認しやすい所です。
(ただ、単に調整や交換をしただけかもしれませんので=事故車ではありません。)
シーラー(ボンネット内の壁面) 左右を比べ塗装等に歪みがあったり、色が違う場合、その中古車は修復された可能性が大きいので、 シーラーのパターンに要注意です。
その他の機関部分にも影響が出ている場合がありますので、しっかり確認しましょう。
いつも書いていますが、中古車は価格と程度のバランスです。
一般的に程度は古くなればなるほど、走行距離が伸びれば伸びるほど、程度は落ちます。
(厳密にはそうではないですが。日頃のメンテナンスが重要!
それが分からないので、異常なくらいに走行距離を気にする一般消費者が多いのだな。
7年落ちなら、5万キロと8万キロ、3万キロの差があっても「どっちがいい。」なんて簡単に言えません。)
修復歴あり車でも、事故車でもお金をかけてきちんと直してあって、お買い得感のある価格であればいいと思います。
が、そのバランスがどうなのか、
そもそもの車の状態がどうなのか、
分からないという方は避けられる方が無難でしょう。
最後に、「中古で買った車を査定してもらったら、覚えがないのに「事故車だ」と言われたのですが」 という相談がよく寄せられます。
これは、分かりません。
事故車を買ったのかもしれません。
査定した店が(安く買いたくて)「事故車だ」と言っただけかもしれません。
ただ、どちらにしても、気付かずに普通に走っていたのなら、普通に買ってもらえる程度の車だと思われます。
買った店をどうこうなんて考えず、違う買取り店に査定してもらうことをオススメします。
2016年4月、最近は車体の骨格として扱われていない「ラジエータコアサポート」が 修復歴の定義(骨格部位)から削除されました。(上が、これまでの定義)